トップ何故、オーガニックなのか?

何故、オーガニックなのか?

ブドウ畑

2017年は日本のオーガニック元年と位置付けられました。日本のマーケットでも、ようやく、オーガニックワインを店頭で見かけるようになってきましたが、まだまだ、「オーガニックワインとは何?」というマインドがあります。これからは、ワインをはじめとして、私たちの食の関心はオーガニックに向けられ、私たちの嗜好意識も大きく変わっていくと思われます。そこで、何故オーガニックワインなのかを見ていきたいと思います。

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1.何故、オーガニックか? 何故、オーガニックを飲んだ方が体に優しいか?

ワインに含まれる酸化防止剤(二酸化硫黄〔以下SO2〕)と保存剤(ソルビン酸、食品添加物の規制対象)の1日の許容摂取量(ADI=Accessible Daily Intake)が健康にとって重要な要素となります。まずは、酸化防止剤とソルビン酸の危険性と特徴を説明します。

1)酸化防止剤(SO2)

多くのワイン愛好家が経験されている通り、SO2は無害ではなく強力なアレルギー物質で、特定の人には、甚大な健康障害を引き起こす可能性もある物質です。生理学的には、SO2は消化に関わるバクテリアを遮断することで、消化器官内でのアルコールの分解を妨げ、加えてSO2は肝臓が糖分やアルコール派生物を代謝するために欠かせないビタミンBを抑制します。ビタミンBが欠乏している人では、アルコールと代謝されない派生物は、血液内を長い間流れ続け、神経細胞を刺激、破壊する原因となります。これにより、疲労や頭痛が引き起こされます。極端な例ですが、それが続くと初期症状は「脂肪肝」そして進行すると「肝硬変」、最終的は「肝臓ガン」といった取り返しがつかない状態に至る可能性があります。

WHO(世界保健機関)が推奨するSO2の1日の許容摂取量は、0.7mg/kg/day( 参照元:WHO発行EVALUTION OF CERTAIN FOOD ADIDIVE/特定食品添加物の評価)、言い換えると体重60kgの人の許容摂取量は42mgとなり、この数値は、甘口(貴腐)ワインのグラス一杯にも満たない数値です。欧州で許可されている一般ワインへのSO2含有量は、赤ワイン1ℓあたり最大150mg(残糖5g/ℓ以下の場合)、白ワインは最大200mg(残糖5g/ℓ以下の場合)、甘口(貴腐)ワインは同400mgです。ちなみに日本の場合、食品衛生法で許可されている含有量は、ワイン一律350mg/ℓです

2)ソルビン酸

ソルビン酸は、食品添加物の一種として、厳しく使用基準が設けられており規制対象となっているはずの物質です。日本の場合には、1日の許容摂取量(ADI)、言い換えますと、一生毎日食べ続けたとしても、体に悪影響がないとされている量が決められおり、25mg/kg/dayに規制されています。つまり、体重60kgの方の許容摂取量は、1,250mg/1.25gです。このソルビン酸の害としては、発がん性、アトピー、花粉症、催奇形性(赤ちゃんに奇形を生じさせる性質)等が挙げられます。

酸化防止剤を使用する最大の目的は、ワイン醸造過程、及び熟成期間中に不良微生物(カビ、ウィルスを含む)の混入や増殖を防ぐためです。これら不良微生物は発酵を不安定にしたり、異臭の原因、品質の劣化などの原因となるためです。そしてそれに必要な酸化防止剤の量は、15~60mg/ℓです。この数値幅は、アルコール度数や、赤白ワインの違い、そして保存環境にもより異なります。多くのオーガニックワインのSO2含有量は、その値前後で生産されていると言われています。

高価な長期保存用ワインにSO2が含まれている理由は、品質の劣化防止にあります。一方で、アルコール度数が10%以上のワインは、アルコール自体が酸化防止剤の役割は果たすため、本来は、添加不要です。これがナチュラルワイン(酸化防止剤を一切含まない)の基本的なコンセプトです。

2.オーガニックワインとは、一般ワイン(Conventional/コンベンショナル)と何が違うのか?

表1をご参照ください。大まかな比較表ですが、それぞれの概念的な違いが分かると思います。

表1

一般的なワインとオーガニックワインなどとの比較

1)欧州のオーガニック食品

欧州のオーガニック食品は、欧州委員会が規定する管理規則(No. 834/2007)に沿って、欧州委員会が認証する指定機関が実施する検査に合格した生産者の製造する製品や原材料に対して発行される証明書を以って認証されています。

2)欧州のオーガニックワイン

欧州のオーガニックワインの製造や規則に関しては、1)同様、欧州委員会が規定する管理規則(No.606/2009)に詳細に定められています。(表1に記されております化学物質等の使用等についても定められています。)

3)欧州オーガニックワインの製造に係わるルール

欧州オーガニックワインの製造に係わるルールは、「EU RULES FOR ORGANIC WINE PRODUCTION」に記載されています。

3.欧州、日本でのオーガニックワインの動き・動向

欧州では、特に環境保全と健康志向が高い北欧を中心に、英国・ドイツ、または、生産地のスペイン・イタリア・フランスでは、オーガニックワインの消費量は、年間10~20%の割合で増加傾向にあります。全体のワイン消費量でも、シェア10~15%の水準となってきています。まだまだ、オーガニックワイン製造とその認証取得のハードルが高いため、生産量が限られていることもあり、全体のワイン消費量に対してのシェアは決して多くはありませんが、生産量の増加と比例して消費量が更に増加する大きなポテンシャルを持ったワインといえます。

また、欧州では、オーガニックに続きナチュラル指向への関心も高くなっており、バイオダイナミック農法で生産されたデメターワイン(認証制度あり)、100%化学物質を使用しないナチュラルワイン(オレンジワイン等)、ベジタリアンの中でも、卵や乳製品を含む、動物性食品を一切摂らない完全菜食主義者(ビーガン)のビーガンフレンドリーワインや、FAST FOODのアンチテーゼとして生まれたSLOW FOOD(認証制度あり)のスローフードワインといったワインの嗜好が増え、傾向も多様化しています。

以下は、DIVA Networkの記事の引用です。2016年度版のトレンドレポートです。元は英文ですが、欧州オーガニックワインの製造に関わるルールの参考資料です。

引用元:THE DIVA Network
https://divawine.com/overview-organic-market/

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■オーガニックワイン市場の概要

ここ15年来、オーガニックワイン産業は急速に活況を呈しています。化学薬品の農薬や肥料を使わない新たな手法をブドウ畑にもたらしました。可能な限り自然の土壌に近い状態でワインを生産するために人の手による介入を極力おさえた手法です。国ごとの有機栽培ブドウ園の規模に関する最近のデータを見つけることが難しい状況にあっても、世界のオーガニックワイン市場を統合し、世界的な視野を持たせようとしています。

醸造中のSO2の最大使用期間における規制、有機栽培ブドウ園の流入量、そして最終的には地元の市場で使用されているオーガニックワインラベルの差異をまとめました。

表2

ヨーロッパのオーガニックワインは、米国内では有機物として認識されておらず、「有機ブドウから作られたワイン」を追加する必要があります。 チリや南アフリカなどの国には特定の有機ラベルがありません。

これらの国では有機ブドウが少量であっても、 ニュージーランドのほぼ100%、南アフリカのブドウ畑の95%が持続可能であると証明されています。 ニュージーランドの目標は、2020年までに産業認証有機物の20%を達成することです。

■2016年有機農地の広い国トップ3(有機栽培ブドウ園のみの%ではない)

  • スペイン:100,000ヘクタール以上
  • イタリア:約85,000ヘクタール
  • フランス:約70,100ヘクタール

これらの3カ国は、世界のすべての有機栽培ブドウ園の73%を占めています。 ブドウ園の重要な転換期にある地域では、まもなく中国が第1位になります。

■市場では

英国では、オーガニックビール・ワイン・スピリッツの販売は6百万ポンド(約680万ユーロ)で、2016年には14.3%増加しました。スーパーマーケットのアルディ(ドイツの量販店)は、「グリーンワイン」コレクションを発表しました。

ドイツと北欧は伝統的にヨーロッパの消費を導いてきました。 2016年の春、スウェーデンのSystembolagetは、当初2020年に設定された「栄養素をオーガニック認証する」という目標を10%達成しました。これは、オーガニック志向が強いために、すでに期待を上回っていることを示しています。

消費国でもあるフランスは、2016年にオーガニックワイン市場が2015年に比べて18.2%増加し、7億9,200万ユーロになりました。

米国とカナダは最近、より重要な市場になっています。 米国Nielsenによれば、2013年から2016年の間に年間10~20%の割合でオーガニックワインの消費が増加しています。それでもまだワイン消費に占める割合は2%とニッチ市場です。アジアでは 、日本は主要市場ですが、シンガポールや韓国などで新しい市場が広がっています。

オーストラリアのオーガニックワインのブドウの生産は 2011年から2014年の間に120%増加し、そのブドウは117百万ドル(7200万ユーロ)に達しました。 オーストラリアから輸出された認証オーガニックまたはバイオダイナミックワインは、2016年に1,200万オーストラリアドル(約8百万ユーロ)の価値があり、ニッチではありますが輸出セグメントが増加しています。

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